ナース給与の減額|遅刻した時間以上に減給!!これってあり? 

遅刻をした時間以上に給与が減額される場合、これって仕方ないのでしょうか?
就業規則で「減給の制裁」というのが認められてるらしいのですが・・・・
Q&Aでまとめてみました。

Q1 遅刻1時間でお給料5千円も引かれちゃった
Q2 管理職は時間外・休日手当支給されない?
Q3 勤務中腰痛になってしまった。労災扱い?

 

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Q1 遅刻を1時間しただけなのに、お給料から5千円も差し引かれちゃいました。これって 違法では?

A1 「減給の制裁」対象であれば違法ではありません。
<説明>
その遅刻はたぶん就業規則に違反したのでしょうね。

労働基準法91条で「就業規則で労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、・・・・・」のくだりがあります。
ただし、「減給の制裁」には、回数と金額の限度が決められています。

「減給の制裁」にあたいする遅刻が1件のみであればあくまで法に定められた1回だけの減額です。
その額は「平均賃金の1日分の半額」までしか減給出来ません。

制裁対象となる遅刻が複数であれば、その合計については1賃金支払期の制限が10分の1ですので、それを超える金額については次期(翌月)以降に持ち越すことが可能となります。

 

■例1

 1日の相当賃金が1万円とします。
1時間の無届の遅刻が一回ありました。

就業規則により「減給の制裁」対象となりました。
減給の限度額は、 一日の賃金の半分以内 つまり5千円以内です。

 

■例2

1日の相当賃金が1万円とします。
1時間の遅刻を月に6回しました。

例1の方法で計算すると、
1回 最大5千円×6回=3万円 となります。
月給は25万円だとします。10分の1は2万5千円です。

複数の「減額制裁」の限度額として、月額の10分の1を超えてはならず
3万円を一回で減額することはできないので、5千円分は、次月に繰り越すことが認められています。

年次有給休暇を取ると給与減額するのは違法!!

年次有給休暇とは、有給休暇の名のとおり、有給扱いですので、減給は違法です。
皆勤手当も減額になったり、全額支給されなかったりしても、これも違法になります。

 

「減給の制裁」されないための対策

「減給の制裁」は労働基準法第91条で定められてますが、働く側の基本として、在籍している病院・事業所の就労規則はよく読んでおきましょう。
やむを得ず、遅刻する場合でも、上司に連絡を入れ、事情を説明し、了解を得ましょう。担当部署によっては支障をきたす場合も多々あり、それに対して、配慮のない遅刻(具体的にはそれぞれの事業所の就業規則に依ります)が「減給の制裁」につながるのだと思います。
正当な理由があれば、事情によっては、「有給扱い」もあり得ます。

 

Q2 管理職は時間外・休日手当支給されない?

役職に昇進したとたんに「法律上、管理職には時間外・休日手当を支給しなくてよい」と言われたけど、これは本当なんですか?昇進とは名ばかり、実際は減給です。
A2 管理職がすべて時間外手当や休日手当が支給されないわけではありません。
役職者=管理監督者 では ないからです。
監督もしくは管理の地位にあるひと(管理監督者という)は、労働基準法の労働時間、休憩・休日に関する規定が適用されません。ですから、時間外労働や休日労働という概念自体がないので、時間外手当・休日手当が発生しないわけです。

 

ではどういうひとが管理監督者なのか?

労働基準法でいう管理監督者とは、「労働条件の決定そのほか労務管理について使用者と一体的な立場にある者」です。
名称にとらわれず、実態にそくして判断することになっています。
ですから役職名だけでは、管理監督者かどうかは判断できないです。

この判断基準があいまいなことが、一般の会社でも大問題になり、実際は何の権限も決定権もない名ばかり管理職で、サービス残業や休日出勤で裁判まで起きたほどで、使用者側が敗訴し、多額の追加賃金を支払ったケースがあります。

 

<管理監督者の範囲の判断基準材料>

管理監督者の範囲を決めるのは
資格や地位の名称ではなく、
「職務内容」「責任と権限」「勤務態様」に給与待遇などが付随しているかで判断される

① 基本給や役職手当などにおいて、その地位にふさわしい待遇が付与されているかどうか?
② ボーナス等の一時金の支給率などは、一般労働者と比べ優遇措置が講じられているかどうか?

病院によっては、一律定額制の固定残業代の形(名目は役職手当など)で支給されている場合もあるかと思います。この問題の真相や解決は個々に違うので、軽々には判断はできません。労働基準監督署に一度相談してみることをおすすめします。

転職先に役職で迎えられるときには、役職にふさわしい権限や手当が充実しているかどうか、しっかりと見極めてください。もし不足があれば、付加してもらえるよう、転職エージェントに提案のアドバイスもいただきましょう。

 

lumbago

Q3 勤務中の患者さんの体位変換で腰痛になってしまいましたが、労災扱いにならないでしょうか?

A3 腰痛の労災認定の判断は、非常に難しく厳しいものがあります。
勤務先や労働基準監督署に相談しましょう。

看護師さんは患者さんの体位を変えたり、抱き起したりなどを行うなど、仕事がら腰を痛めている方が非常に多いです。そこで、その「腰痛」が労災認定されるのかどうかですが、非常に難しいと言われています。
なぜかというと、腰痛を発症したのが仕事だけが原因なのか、もともと腰痛持ちが悪化したのかという判断が難しいからです。

 

業務上の腰痛の認定基準は?

高齢労働省の通達によると「業務上の認定基準などについて(昭和51年10月16日付け基発第750号)災害性の原因による腰痛とは、「業務上の負傷に起因して労働者に腰痛が発生した場合で、表1の2つの要件のいずれも満たし、かつ、医学上療養を必要とするときは、その腰痛は業務災害(労災)として取り扱う」とあります。

 

表1 業務上腰痛の認定基準となる要件

① 腹部の負傷または腰部の負傷を生じせしめたと考えられる、通常の動作と異なる動作による腰部に対する急激な力の作用が、業務遂行中に突発的な出来事として生じたと明らかに認められるものであること② 腰部に作用した力が腰痛を発症させ、または腰痛の既往症もしくは基礎疾患を著しく憎悪させた、と医学的に認めるものであること

(昭和51年10月16日付け基発第750号)

 

表2 業務上外の認定において把握したい条件
腰痛を起こす原因は多様なため、以下のような認定上の客観的な条件の把握が必要です。

〇 症状の内容および経過
〇 負傷または作用した力の程度
〇 作業状態
(取扱い重量物の形状、重量、作業至誠、持続時間、回数など)
〇 当該労働者の身体的条件(性別、年齢、体格など)
〇 素因または基礎疾患
〇 作業従事歴
〇 従事期間

昭和51年10月16日付け基発第750号)

 

まとめ

Q1の減給の制裁を受けるのは、勤務先の就労規則に違反した場合であり、遅刻一回につき、相談例は1時間の遅刻ですが、1時間以内たとえ30分でも制裁を受ける可能性があります。
また、複数回就労規則違反の遅刻があれば、最大限一日の半分×回数分の減給制裁を受けてしまいます。その合計金額が月額給与の10分の1以上であれば、そのはみだした分は次月に差し引かれます。

ここで 申し上げたいのは、最大減給の限度額を知っておくことも大事ですが、そもそも、就労規則違反そのものをどうとらえるかということです。
どうしようもない不可避の事態で、やむなく連絡できず、無届で遅刻するのはあり得る事です。
その場合でも、事後報告のさい、証明できるものがあれば添えて、上司に不可避であったことを説明しましょう。

また、複数回の減給制裁を受ける事態は、人事考査に重大な影響を及ぼすことも考えられますので、お気を付けください。

Q2の管理職の範囲がどうなのかは、各職場で異なりますので、基本的な考え方は知っておいたほうがよいと思います。

労働基準法でいう管理監督者とは、「労働条件の決定そのほか労務管理について使用者と一体的な立場にある者」です。

この部分の解釈とご自分の処遇が一致してる場合はいいですが、あきらかに違う場合はやはり、社労士や労働基準監督署に相談してみてください。

Q3の労災認定に関しては、なかなか難しいのが現状です。
「表1の業務上腰痛の認定基準となる要件」を充たすかどうかは、「表2 業務上外の認定において把握したい条件」の把握が必要です。
7つの経過観察の記録を日記などにきちんとメモしておくことをおすすめします。労災認定には、具体的証拠となるメモは大いに助けになるはずです。

業務上での腰痛など、体に不調和の負担がある場合、あまり我慢しすぎないで、上司や同僚に相談して、しばらくその作業の軽減をお願いしましょう。労災申請などに至らないよう、未然に防ぎたいものです。

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