ナースの疑問Q&A|そこが知りたい!オンコール

看護師として働いていて、微妙に変だなぁ 納得できないと感じることは多いです。オンコールなどはその典型でしょう!
また、休憩時間の電話番で、休憩できないことがつづくと・・・なんとなく上司にも聞きにくくて・・・そんな疑問難問の正しい認識を調べました。

Q1 休日のオンコール待機は勤務日?
Q2 休憩時間の電話番で休憩できない
Q3 強制参加の勉強会や研修会は労働時間?

 

Q1 休日のオンコール待機は勤務日?時間外労働になるの?

 
A1 休日や労働時間外に、電話次第で出勤対応する「オンコール待機」は、所轄の労働基準監督署長の許可を受けていれば、勤務日ではありません。
ただし、許可をうけてなければ、休日または時間外労働になります。

 

<説明>
あくまでも雇用側が労働基準監督署に許可を受けているか、どうかで違ってきます。
オンコール待機(呼び出しがあったらはせ参じる)の場合、通常の業務を行わないのが基本です。

労働基準法では、オンコール待機のような場合、通常の業務に比べ「労働密度が低い」ので、所轄労働基準監督署長の許可を受ければ、休日や所定労働時間外に勤務させても、休日労働や時間外労働とはなりません。

しかし、この許可を受けていない場合は、たとえ宿日直と称し、宿日直勤務に該当するものであっても、休日または、時間外労働とみなされます。

宿日直の許可を受けている場合でも、宿日直中に突発的な事故による応急患者の診察や入院、患者の死亡、出産等があったり、昼間と同様な業務をこなした場合は、時間外労働となります。

 

◇ 宿日直勤務の許可基準

① 原則として、通常勤務における労働は行わず、定期的な巡視、緊急の文書または電話の収受、非常事態に備えての待機などを目的とするものであること② 宿直、日直の勤務回数が原則として、宿直勤務週一回以下、日直勤務月一回以下であること③ 一回の宿日直手当は、宿日直勤務に就くことが予定されている同種の労働者の一人一日当たり平均の賃金額の3分の1以上であること④ 宿直については、寝具、暖房等相当の睡眠設備を設けること⑤ 年少者の宿日直勤務はできない

plus

① 通常の勤務時間拘束から完全に解放されたあとのものであること。すなわち通常の勤務態様が継続している場合は勤務から解放されたとはいえないため、その間は時間外労働として取り扱わなければならない。② 夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外には、病室の定時巡回、異常患者の医師への報告、あるいは少数の要注意患者の定期険脈、検温等特殊の措置を必要としない軽度の、又は短時間の業務に限ること

休日のオンコール待機は勤務日なのか、または、時間外労働になるのか、現在の職場が曖昧な場合は、まずオンコールでどのくらい呼び出しを受け、任務につき、どんな勤務をどれくらいしたか、きちんとデータをとることをおすすめします。

そのうえで、オンコール待機日数を減らしてもらうか、また、任務についたときは対価が妥当なものかどうか、データを提示して、看護師長に相談しましょう。

それにしても時間外労働や宿直、宿日直や夜勤があいまいだったり、多くなりがちですので、改善されない場合は、オンコール待機の待遇がきちんとしている医療機関で働いた方がよいです。
きちんとした対応をしている事業所は、給与体系や昇給体系もきちんとしているし、経営が安定していると言えますね。

 

Q2 休憩時間に交替で電話番 これって 休憩になるの?

昼の休憩時間に交代で電話番をしていて、ゆっくり休めないです。これでも休憩時間になるのかしら?

 
A2 休憩時間とは言えないでしょう。
休憩時間に電話番を頼まれ、その対応で休めない場合は労働時間とみなされます。したがってこれは休憩時間とは言えませんね。

 

<説明>
労働基準法での「休憩時間」とは、その長さ与え方」です。

 

1) 休憩時間の「長さ」の規制
休憩時間の長さについては、以下のように規定されています。
◇1日の労働時間が6時間を超えて8時間以下の場合には「45分」の休憩時間
◇8時間を超える場合には「1時間」の休憩時間
なお、1日の労働時間が8時間を超えて何時間になろうとも、休憩時間は最大で1時間でよいことになります。また、労働時間が6時間以下の場合には、休憩時間を与えなくても構いません。(表1)

 

2)休憩時間の「与え方」に関する規則
休憩時間の与え方については、

① 途中付与の原則
② 一斉付与の原則
③ 自由利用の原則

というルールがあります(表2)。
ただし、③自由利用の原則では
「休憩時間の利用について病院の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差しつかえない」

「休憩時間中の外出について所属長の許可を受けさせることも、病院内において自由に休憩できるなら、必ずしも違反とはならない」

とされています。
就業規則などにより病院ごとの独自のルール適用もあります。

 

表1 労働基準法で定められた休憩時間の長さ

1日の労働時間 定められた休憩時間
8時間超
6時間~8時間
6時間以下
休憩時間は1時間
休憩時間は45分
休憩時間は与えなくてもよい

 

表2 休憩時間の与え方に関する3原則

①途中付与の原則 労働時間の途中に与えなければならない
②一斉付与の原則 一斉に与えなければならない
(病院は保険衛生事業に含まれるため、交替制の休憩でもよい)
③自由利用の原則 自由に利用されなければならない

(労働基準法第34条)

 

このケースは、休憩時間に交代で電話番をする暗黙のルールとなっている可能性があり、電話があれば実際、対応せざるを得ないわけで、電話の対応でゆっくり休めないということであれば、これは休憩時間とは言えず、労働時間とみなされます。

ただ、強要されたわけではなく、たまたま病院内で休憩時間を過ごしていたとき、日ごろはほとんど鳴らない電話がかかってきて、その対応をした場合までは労働時間とは言えません。

休憩時間になるかどうかは「強要されているかどうか」「対応に追われているかどうか」が判断基準になると思います。

 

実際には、電話番などを交代でこなしているところがほとんどですが、休憩時間をスタッフでずらして取っているところが多いです。外来など病棟なども一斉に昼休み休憩は取れませんね。
きちんと 45分ないしは1時間 交代で取れればいいのだと思います。
ただ 電話番に駆り出されて、休憩を削ったまま午後の仕事に就くようであれば、上司に相談して 交代で休憩を確保するようにしたほうがいいです。

 

Q3 強制参加の勉強会や研修会は労働時間?

勤務時間外になかば強制的に参加させられる勉強会や研修会が結構あるんですけど、これって労働時間に入るの? それとも入らないの?

 
A3 強制参加の場合は“労働時間”です。
 

<説明>
看護師のスキル向上のため、結構参加必須とされていますが、お手当は出ないというところは多いです。
実際問題、勤務時間外に研修会・勉強会などを実施しており、看護師を強制的に参加させている病院があります。

または、使用者側は「あくまでも個々の能力向上を目的としているので労働時間外」とみなし、その時間に対する賃金を支払っていないケースもあるようです。

勉強会や研修会の時間については、使用者のあきらかな指示・強制に基づいて行われる場合は労働時間になります。

また、研修を受講しないと不利益な取り扱いがある場合や、研修内容と業務の関連性が強く、それに参加しないと本人の業務に具体的な支障があるなど、実質的に使用者から出席の強制があると認められる場合などは、たとえ使用者の明らかな指示がなくとも労働時間に該当すると考えられています。

看護師の場合、法定の研修受講が必要であったり、資格を取得するために外部機関が実施する研修や講習に参加する機会が多いですが、これらの研修も病院からの指示によるものであれば労働時間です。

ただし、資格取得のための講習受講が、あくまでも個人の自発的な意思によるものである場合は、労働時間には該当しません。

 

図1 労働時間に含まれる勉強会・研修会の区別

労働時間に含まれる研修時間の区別

 

 

オンコールの参考情報

オン・コールに関しては、看護協会が2013年発表のガイドラインに示しています。

当直とオン・コールの違い

1 当直の概念
「当直」とは日直や宿直にあたることで、外来などで行われている夜間の業務密度の低い働き方は、労働基準法上の宿日直の宿直にあたり、この場合、監視分断業務として労働時間規制の適用対象外となります。
「待機(オン・コール)」と同様、所定労働時間には算入されません。

 

2待機(オン・コール)の概念
日中に多くの勤務が集中する手術室などの場合で、24時間をカバーするため
にとられることの多い勤務形態です。

呼び出しに備えて自宅などで待機し、夜間などに緊急で業務が発生した場合 に勤務につく働き方のことで、当直同様に所定労働時間には算入されません。

待機(オン・コール)勤務は、実労働に就くわけではありませんが、待機して いる時間は、くつろげない、お酒が飲めない、休日に遠出ができない、いつ呼 び出されるかわからない緊張感を伴うなどの精神的負担感が生じます。

法的には待機(オン・コール)手当の支給は義務付けられていませんが、待機の制約を受け、いつなんどきでもはせ参じるという緊張感はやはり、何らかの手当ての考慮が必要と思います。

待機(オン・コール)は、病院の手術室、検査部門、介護老人福祉施設(特 別養護老人ホーム)、訪問看護ステーション、分娩待機などで行われていると 考えられます。

どの職場も軽重に優劣はつけられませんが、例えば現実問題として、手術室勤務で、経過の激変などに備えるため、週2回もオン・コールがありしっかりと休めないという相談が寄せられています。

そのような場合は、その代替えとして代休を考慮してもらったほうが良いです。
また、訪問看護センターなどにおいても、オン・コール問題は深刻のようです。

 

訪問看護ステーションでのオン・コールの負担

看護師がオンコールを負担に思うこと

看護師がオンコールを負担に思うこと

<まとめ>

時間外の研修会や勉強会は、暗黙の強制でも自己負担が課せられ、社会保険労務士や、労働基準監督署からの指導がたびたびあるということもあるようです。
それぐらい、なかなか厳しく難しい状況下だと考えられます。

あまりにも納得がいかない場合は、スタッフが一致して使用者に交渉するなり、一度、労働基準監督署に相談の方法もあると思います。

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